【5月30日 AFP】(写真追加)ベトナムの国立病院で29日、人工透析を受けていた腎臓病患者の容体が急変し、6人が死亡、12人が救急搬送された。同国保健省が発表した。

 国立ホアビン省総合病院(Hoa Binh Province General Hospital)で腎臓病患者18人が人工透析を受けていたところ、透析開始から45分後、一部の患者が吐き気や腹痛、息切れを訴え始めた。

 国営メディアの報道によると患者らはアナフィラキシーショック(血圧低下や意識障害などを伴い、生命の危険もある全身性の激しいアレルギー症状)に陥ったとみられる。保健省は首都ハノイ(Hanoi)の南西80キロに位置する現地に調査チームを派遣した。

 保健省は声明を発表し、「腎臓科の医療機器や薬剤はすべて同病院と警察が封印した」と明らかにした。同病院の腎臓科は新規患者の受け入れを停止した。今回死亡した患者の遺族には賠償金660ドル(約7万3000円)が支払われる。

 共産主義国のベトナムでは医療機関の大半は国営だが、民間医療施設も一般的になりつつある。医療水準は民間医療施設の方が国立医療機関より高い傾向があるが、ベトナムの病院は総じて安全と考えられており、医療ミスにより死亡するケースは比較的珍しい。(c)AFP