【5月29日 AFP】ネパール当局は26日、世界最高峰エベレスト(Mount Everest)に無許可で登頂しようとした南アフリカ人男性に対し、罰金2万2000ドル(約245万円)の支払いを免除し、帰国を認めたことが分かった。ただし、ネパール国内での登山は今後10年間禁止するという。

 登山経験のないライアン・ショーン・デイビー(Ryan Sean Davy)氏(43)は以前、登山許可を得ないままエベレストのベースキャンプ付近の洞穴に隠れているところを発見された。

 同氏は、入山料の1万1000ドル(約123万円)を支払う余裕はなかったが、それでもエベレストに登り、その経験を本や映画に記録したかったという。

 デイビー氏は26日、AFPの取材に対し、「観光局は私を許し、家に帰る許可をくれた」と語った。

 ネパール文化・観光・民間航空省観光局のディネーシュ・バッタライ(Dinesh Bhattarai)局長も、デイビー氏への罰金を免除したことを認め、10年間の登山禁止処分だけを科したと認めた。

 観光局は以前、デイビー氏が罰金を払えない場合、代わりに最高で禁錮4年の刑を求める可能性もあるとしていた。

 22日に10ドル(1110円)を支払って保釈されていた同氏は、カメラのメモリーカードを没収されたと述べながら「少なくとも2か月から1年(の禁錮刑)は科されると思っていた。大きな驚きだ。当局者の気が変わる前に出国した方がいい」と語った。(c)AFP