【5月29日 AFP】フランスの首都パリ(Paris)のアンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)市長は28日、市内で7月末に予定されている黒人フェミニスト関連のフェスティバルが「白人の参加を禁じている」と批判し、開催の中止を求めた。

 今年が初開催となる「ニャンサポ・フェスティバル(Nyansapo Festival)」は、「ブラックフェミニズムとアクティビズムに根差した欧州規模のイベント」とうたっている。

 そのウェブサイトのフランス語版によれば、会場の8割が「黒人女性」のための「非混合」エリアに指定されているほか、性別にかかわらず「黒人」のための別の「非混合」エリアも確保されている。残りが「すべての人に開放」となっている。

 ウェブサイトの英語版では、「非混合」という言葉は使われず、「指定の(reserved)」と記されている。

 社会党所属のイダルゴ市長はツイッター(Twitter)で「白人の参加を禁じている」として主催者を非難。「このフェスティバルの中止を求める」と書き込み、「差別を理由に主催者を訴える」ことも辞さないとしている。

 人種差別やユダヤ人差別に反対する地元団体からも強い非難の声が上がっている。反人種差別団体のSOSラシスム(SOS Racisme)は「人種の隔離に喜び浸る」ようなイベントは「間違いであり、実に不快だ」と反発した。

 反人種差別・反ユダヤ差別国際連盟(LICRA)は、米公民権運動活動家の故ローザ・パークス(Rosa Parks)氏を引き合いに出して「これではローザ・パークスも浮かばれないだろう」と批判した。(c)AFP