【5月28日 AFP】英航空会社ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)は27日、ITシステムの大規模な故障により、ロンドン(London)のヒースロー(Heathrow)とガトウィック(Gatwick)両空港発の全便の運航を中止したと発表した。29日が祝日で3連休となる忙しい週末、両空港では多くの旅行者が足止めされた。

 ブリティッシュ・エアウェイズは27日午後に発表した声明で「ITシステムの大規模な故障により、世界中で当社の航空業務に重大な影響が発生している」と述べた。同社では当初、ヒースローとガトウィック両空港発便を午後6時(日本時間28日午前2時)まで欠航とすると発表したものの、その後訂正し、27日は終日運航を見合わせると述べた。

 英国では今月、ランサムウエアのサイバー攻撃により重要インフラが被害を受けてたが、同社は今回のIT故障が「サイバー攻撃である証拠は発見されていない」と述べている。

 同社は「27日に当社の航空便を利用予定だった顧客のために、今週末中に利用できる便の手配を進めている」と述べ、同社のコールセンターとウェブサイトも同様に故障の影響を受けたと付け加えた。

 英国では29日が祝日に当たり、学校のハーフターム休暇(学期の真ん中にある1週間程度の休暇)の開始と重なったことで、今週末に旅行をする家族が多く空港が混み合っていたという。

 同社は利用客に対し、「極度に混み合っている」両空港に来ないよう呼び掛けたが、ヒースロー空港の5番ターミナルにいたAFPカメラマンによると、多数の利用客が出発ロビー外で荷物と共に足止めされている「カオス的な」状況で、利用客は健康と安全上の理由から同空港内に入ることを許されておらず、中には諦めてタクシーで空港から去る人もいたという。

 イタリアのローマ(Rome)とミラノ(Milan) 、チェコの首都プラハ(Prague)、スウェーデンの首都ストックホルム(Stockholm)などの都市でも遅延が報告された。同社は28日も一部で遅延や混乱が続く恐れがあるとしている。(c)AFP/Rachel O'BRIEN