【5月28日 AFP】ジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2017)は27日、第20ステージ(ポルデノーネからアジアーゴまで、190キロメートル)が行われ、モビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)が総合首位を守ったものの、チームサンウェブ(Team Sunweb)のトム・デュムラン(Tom Dumoulin、オランダ)も優勝の可能性を残し、勝負は最終ステージへ持ち越されることになった。

 ステージは、デュムランのライバルたちが何度もアタックを仕掛けるスリリングな展開の末、FDJのティボー・ピノ(Thibaut Pinot、フランス)が5人のスプリント勝負を圧勝で制してジロの初ステージ勝利を飾った。

 2014年大会王者のキンタナはステージを5位で終え、総合2位につけるバーレーン・メリダ(Bahrain-Merida)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)との39秒差、同3位ピノとの同43秒差を守った。

 デュムランはピノから15秒遅れでフィニッシュし、キンタナと53秒差の総合4位に後退したものの、最終ステージ(モンツァからミラノまで、29.3キロメートル)のタイムトライアルでは優勝候補最有力と目されている。

 ピアンカヴァッロの山頂フィニッシュとなった前日のステージで、キンタナと38秒差の総合2位に後退した後、デュムランは、最後の山岳ステージとなるこの日は過酷なレースになるとライバルたちから警告されていた。そしてその言葉の通り、キンタナやニバリ、ピノは、終盤のフォーザ頂上への14キロの上り坂で連続アタックを仕掛けた。

 しかし、その波状攻撃も功を奏さず、デュムランはクイックステップ・フロアーズ(Quick Step Floors)のボブ・ユンゲルス(Bob Jungels、ルクセンブルク)やオリカ・スコット(Orica-Scott)のアダム・イェーツ(Adam Yates、英国)、同じオランダのトレック・セガフレード(Trek Segafredo)のバウケ・モレッマ(Bauke Mollema)らのいる集団に潜りこみ、最後の数キロを乗り切った。

 デュムランはゴール後、「ありがたいことに、きょうはきのうよりも脚が残っていた。もちろんすごく疲れたけど、バウケ・モレッマとアダム・イェーツ、ボブ・ユンゲルスの助けには一生感謝したい」と語った。

 タイムトライアルの第10ステージで初めてピンクジャージ―(マリア・ローザ)を獲得した際、デュムランはニバリに2分以上、キンタナに3分近い差をつけてステージを制している。

 そのためキンタナは、負けを覚悟したかのように、「できる限りの力を振り絞ってデュムランとのタイム差を広げようとしたが、彼は仲間を見つけた。少しは差をつけられたが、ないよりはましという程度だ」とコメントした。

 ミラノ(Milan)へ向かう最終ステージで再び最高の走りを見せることができれば、デュムランはオランダ人選手初のマリア・ローザ獲得者になる。それでも本人は、「まだわからない。すべては明日の脚次第だ。ひとまず、きょうのレースがうまくいってすごく満足だ」と話すにとどめた。(c)AFP/Justin DAVIS