【5月25日 AFP】パキスタン南西部バルチスタン(Balochistan)州の州都クエッタ(Quetta)で24日の白昼、現地で働く中国人の男女2人が拉致される事件が発生した。地元の警察当局が明らかにし、中国国営メディアも報じた。

 拉致事件が発生したのは24日の正午ごろ。クエッタは500億ドル(約5兆6000億円)規模の投資開発を予定している「中国・パキスタン経済回廊(CPEC)」構想の中心地だが、パキスタンからの分離独立を求める勢力やイスラム勢力が活動しており、今回の事件は治安に対する懸念をいっそう高めそうだ。

 地元警察の幹部はAFPに対し「中国人の男女がクエッタのジンナー(Jinnah)で拉致された」と述べた。身元不明の男3人が、2人をナンバープレートが付いていない車に引きずり込んだという。

 一方、現場周辺にいた人たちを威嚇するために男らが空へ向けて発砲している隙に、別の中国人女性1人が逃げ出した。また拉致された中国人を救おうとした通りがかりの男性1人が撃たれた。

 首都イスラマバード(Islamabad)の中国領事館が、拉致された中国人の解放を目指している。2人は現地の語学学校でウルドゥー語を勉強していたという。一方、地元警察は先に2人は中国語の教師だと発表していた。(c)AFP