【5月25日 AFP】(更新)英中部マンチェスター(Manchester)で起きた自爆攻撃をめぐり、米当局が共有する捜査情報を繰り返し漏えいしたとして英政府が激怒している。アンバー・ラッド(Amber Rudd)内相は24日、地元ラジオに「いら立たしい」と不満を表明。さらにその直後に米紙が英当局から公表されていない現場写真を掲載し、英側の怒りをさらにかき立てた。

 22日夜に発生したこの事件では、実行犯の身元や捜査の詳細が、英当局が公表可能と判断する前に米メディアに漏えいされた。

 ラッド内相は英BBCラジオで米国の国土安全保障省や情報機関を強く非難。「捜査の公正さを確保するために情報の流れをコントロールしたいという点について、英警察当局はこれまで非常に明確にしてきた」「別の場所から情報が公表されるとすれば、いら立たしいことだ。私は友人たちに対し、こうしたことは二度と起こってならないと明確に表明した」などと語った。

 ところが、ラッド内相が不満を示した直後、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が再び、英当局や他のメディアを出し抜いて、現場で撮影された残留物の写真を公開した。

 英政府筋はこの写真について、警察の捜査関係者が撮影し、それを共有した米当局が漏えいしたとみている。ある政府高官は「怒りを覚える。断じて受け入れられない」と述べ、英当局が米側に対して関連するあらゆるレベルでこの問題を提起していることを明らかにした。

 ラッド氏はBBCラジオで米当局によって捜査に支障が出たかと尋ねられた際、「そうとまでは言わないが、彼ら(米側)は状況を完全に把握しており、同じことが起こらないとは言える」とも答えていた。

 しかし、英政府のテロ対策機関は捜査が「妨げられた」と指摘。「われわれは諜報や警察、治安関連の信頼できる世界のパートナーとの重要な関係を非常に重視している。そうした関係によってわれわれの協力や機密情報の共有は可能となっている」と述べた上で、「その信用が裏切らると、そうした関係が損なわれ、捜査に支障が生じ、犠牲者や目撃者、彼らの家族の信頼も傷つけてしまう」と警告した。(c)AFP