【5月25日 AFP】(更新)英マンチェスター(Manchester)で起きた爆破事件の実行犯とされるサルマン・アベディ(Salman Abedi)容疑者(22)の弟と父親が、リビアで当局により身柄を拘束された。親族と警察当局が24日、明らかにした。

 英捜査当局は事件の背後にイスラム過激派のネットワークがあるとみて捜査を続けている。これまでに事件に絡んで英国内で女1人を含む7人を逮捕し、話を聞いている。

 22日に起き22人が死亡した爆破事件の実行犯とされるサルマン容疑者は、リビアのムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)元大佐の独裁政権から逃れて来たリビア人の両親の下、マンチェスターで生まれた。

 匿名で取材に応じた容疑者の親族によると、弟のハシム・アベディ(Hashem Abedi)容疑者はリビアの情報機関によって23日に身柄を拘束された。同容疑者は兄のサルマン容疑者と同じく英国生まれとされる。

 またリビア警察当局は、父親のラマダン・アベディ(Ramadan Abedi)容疑者も身柄を拘束されたことを明らかにした。兄弟はともにイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のメンバーで、弟のハシム容疑者は犯行計画を事前に把握していたという。

 親族によれば、サルマン容疑者は事件の4日前にリビアからマンチェスターに渡航した。「父親は息子がリビアにとどまることを望んでいたが、サルマンはマンチェスターに行くと言って聞かなかった」という。

 フランスのジェラール・コロン(Gerard Collomb)内相は、英情報機関からフランス側に提供された情報として、サルマン容疑者はリビアを訪れた後、シリアに渡航していた「可能性が高い」と述べた。(c)AFP