【5月24日 AFP】正体不明の飛行体が23日に北朝鮮との軍事境界線を超えて韓国領空に侵入し韓国軍が警告射撃した問題で、韓国軍は24日、この飛行体は北朝鮮が飛ばした宣伝ビラ散布用の風船だったとみられるとの見解を示した。

 当初はドローン(小型無人機)の可能性を指摘する韓国軍当局者もいたが、韓国国防省の文尚均(ムン・サンギュン、Moon Sang-Gyun)報道官は24日、報道陣に詳しい説明を行い、10個の「風船のような物体」が軍事境界線付近で風に流されて飛んでいるのが発見されたと述べた。物体のうち幾つかは韓国の領空内に入ったという。

 軍事境界線付近では韓国・北朝鮮両政府に加え韓国の反北朝鮮活動家が、ガスで膨らませた風船を使って宣伝ビラを相手方に散布する活動をしている。しかし文報道官は、韓国の政府や活動家が使う風船は球形ではなく円筒形だと指摘し、今回の風船が韓国内から飛ばされた可能性を否定した。

 脱北後に活動家となったイ・ミンボク(Lee Min-bok)氏は円筒形のプラスチック製風船は球形のゴム製風船よりずっと安いと述べ「問題の風船が球形ならば北朝鮮から来たものだろうと思う」と語った。(c)AFP