【5月24日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は23日、エルサレムのイスラエル博物館(Israel Museum)で演説し、中東和平実現に向け、イスラエルとパレスチナの双方に歩み寄りを呼び掛けた。ただ、対立解消のための具体策の提示には至らなかった。

 この演説は、大きな注目を集めたイスラエル・パレスチナ自治区訪問の締めくくりに行われた。大統領はこの後、ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王との会談が予定されているイタリア首都ローマ(Rome)に向かった。

 演説の中でトランプ氏は、イスラエルに強力な防衛を提供するとともに、同国をイランから守ると述べて喝采を浴びた。

 その一方で、イスラエルがパレスチナ側と合意できるよう後押ししていくため「個人的な尽力」も惜しまないと明言。先には、合意は思う以上に容易に達成可能かもしれないという旨の発言もしていたが、それを翻した格好となった。

 「和平実現は簡単ではない」と認めたトランプ大統領。「双方が厳しい決断を迫られるだろう。しかし、決意と歩み寄り、和平は可能なのだという信念があれば、イスラエル人とパレスチナ人は合意に至れるはずだ」と述べた。ただ、詳細には踏み込まず、国際社会の取り組みと米国の中東外交で長く重視されてきた「2国家共存」にも特に言及しなかった。(c)AFP Jerome/Cartillier with Sarah Benhaida in Bethlehem