【5月25日 AFP】マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督が24日、英マンチェスター(Manchester)で発生した爆発事件で犠牲となった22人の命を取り戻せるのであれば、この日獲得したヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2016-17)のタイトルを手放してもかまわないと語った。

 スウェーデン・ストックホルム(Stockholm)で行われたヨーロッパリーグ決勝で、ユナイテッドは2-0でアヤックス(Ajax)を退け、大会初優勝を飾った。しかし、モウリーニョ監督は「できることならば、この優勝と引き換えに犠牲者の命を取り戻したい。すぐにでもだ。われわれはそれをためらわない」とコメントしている。

「この優勝がマンチェスターの街に少しでも幸せをもたらすことができるかって? おそらくね。しかし、われわれは自分たちの仕事をするためだけにここに来た」

「われわれは何の喜びもなくここにやって来た。こういった大一番に臨む際は、喜びや誇りといった感情が伴うものだが、われわれにはなかった。ただ職務を全うするためだけに来たんだ」

 22日にマンチェスター・アリーナ(Manchester Arena)で発生し、多くの死傷者を出した自爆攻撃が試合に影を落とした。試合前に爆発事件の犠牲者に黙とうがささげられると、両チームのファンから拍手が巻き起こり、ユナイテッドの選手は腕に喪章をつけてプレーした。

 モウリーニョ監督は予定通り試合を開催した欧州サッカー連盟(UEFA)の決定を支持しているが、優勝してもマンチェスターで起きた事件の悲しい思いが常につきまとうものになると話している。

 23日の試合前日会見をキャンセルしていたモウリーニョ監督は、「とても苦しかったので、きのうは記者会見をしたくなかった。われわれは自分たちの仕事をする覚悟を固めなければならなかったし、われわれの仕事より間違いなく大事な出来事を忘れる努力しなければならなかったからだ」

「世界は進んでいく。歩みを止めてなどくれないし、われわれは自分たちの仕事をしなければならないんだ。私は試合を決行したUEFAを支持する」

「しかし、何かがあればすぐに悲劇に引き戻されてしまう。間違いなくそれはわれわれの偉業から満足感を奪い去る」