【5月23日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の元スター選手、O・J・シンプソン(OJ Simpson)受刑者が、約10年間を過ごした刑務所から釈放される可能性が出てきた。

 米ネバダ州矯正局(Nevada Department of Corrections)は22日、シンプソン受刑者が今年7月にも仮出所の審理に臨む予定であると発表したが、その具体的な日にちについては明らかにしていない。

 シンプソン受刑者は1994年、元妻のニコール・ブラウン・シンプソン(Nicole Brown Simpson)さんとその恋人ロン・ゴールドマン(Ron Goldman)さんを殺害したとされる「世紀の裁判」で無罪となったものの、その後ラスベガス(Las Vegas)のカジノホテルで発生した2人の記念品ディーラーに対する強盗と誘拐の罪により、2008年に禁錮33年の判決を言い渡されるなど、その名声は地に落ちていた。

 強盗と誘拐事件の一部の罪については2013年に仮釈放が認められたものの、別の4件に対する判決でさらに少なくとも4年間の服役が科されていたシンプソン受刑者は、地元メディアの報道によれば、今回の仮出所が許可されれば早ければ10月にも刑務所から出られる可能性があるという。

 アフリカ系米国人として、1970年代に輝かしいキャリアを過ごして最も有名なNFL選手の一人として知られるシンプソン受刑者は、白人の元妻とゴールドマン氏の殺害については、これまで一貫して否定してきた。

 シンプソン受刑者が無罪を勝ち取ったロサンゼルス(Los Angeles)でのセンセーショナルな裁判は、当時連日にわたり大々的に報じられ、人種間で大きく意見が割れた評決が全米で大論争を巻き起こした。

 一方、1997年に行われた同事件の民事裁判でシンプソン受刑者は二人の死に責任があると認定され、遺族に総額3350万ドル(約37億円)の支払いを命じられた。(c)AFP