【5月23日 AFP】世界ロードレース選手権(WGP)のMotoGPクラスの2006年世界王者で、イタリアで先日、サイクリング中に交通事故に遭ったニッキー・ヘイデン(Nicky Hayden、米国)が亡くなった。治療にあたっていた病院が、22日に発表した。

 スーパーバイク世界選手権(WSB)のレッドブル・ホンダ・ワールド・スーパーバイク・チーム(Red Bull Honda World Superbike Team)に所属する35歳のヘイデンは、今月17日に伊リゾート地のリミニ(Rimini)で自転車でトレーニングしていた際、車と衝突して胸と頭に重傷を負っていた。事故を報じた記事では、同選手の自転車と衝突してフロントガラスに大きな損傷を受けた車の写真が掲載されていた。

「ケンタッキー・キッド(The Kentucky Kid)」のニックネームで知られるヘイデンは、2003年から2015年までMotoGPに参戦し、2016年からWSBに転向。MotoGPでは通算3勝ながらも、2006年シーズンにはバレンティーノ・ロッシ(Valentino Rossi、イタリア)との激しいタイトル争いを制した。

 同じホンダ勢でLCRホンダ(LCR Honda MotoGP)のステファン・ブラドル(Stefan Bradl、ドイツ)は声明で、「深いショックと悲しみを受けた。君とガレージをともにできて光栄だった。僕の思いは彼の家族とともにある。君のことは決して忘れない。#69 RIP(安らかに眠れ)」と哀悼の意を表した。

 2006年シーズンにヘイデンとチームメートだったダニエル・ペドロサ(Dani Pedrosa、スペイン)は、自身のツイッター(Twitter)に故人の写真を投稿し、「ずっと僕の心にいるよ、チャンプ。RIP ニッキー #69」とつづった。

 レッドブル・ホンダは公式ウェブサイトに発表した声明で、「ニッキーは今夜CEST(中央ヨーロッパ夏時間)午後7時09分に、伊チェゼーナ(Cesena)のマウリツィオ・ブファリーニ病院(Maurizio Bufalini Hospital)で亡くなりました。婚約者のジャッキー(Jackie)さんをはじめ、母親のローズ(Rose)さんと兄のトミー(Tommy)さんが付き添っていました」と公表した。

「キャリアを通じてニッキーは素晴らしいプロ意識と闘志を示し、2006年にはホンダとともにMotoGPを制覇するという子どもの頃からの夢をかなえるなど、数え切れないほどの成功を収めました。彼はサーキットで真の王者であったと同時に、常にいかなる場所でもその持ち前の優しさ、打ち解けた振る舞い、そして満面の笑みでファンの人気者でした」

「ニッキーの人柄を表す言葉として、この数日間に寄せられたレーサー仲間や大勢のファンからの多大なる反応に勝るものはありません。ジャッキーと彼のご家族は、ニッキーに対する数え切れないほどの祈りや善意に心から感謝しています」 (c)AFP