【5月23日 AFP】カナダの太平洋(Pacific Ocean)沿岸の埠頭(ふとう)で、アシカが幼い女の子をくわえて水中に引きずり込む様子を映した動画が、インターネット上で話題を呼んでいる。専門家は、野生動物に餌を与える行為の危険性を示す出来事だと指摘している。

 動画は20日にブリティッシュコロンビア(British Columbia)州リッチモンド(Richmond)にあるスティーブストン・フィッシャーマンズ・ウォーフ(Steveston Fisherman's Wharf)で撮影されたもの。ユーチューブ(YouTube)での再生回数は22日までに1100万回を超えている。

 動画では最初、のんびりと泳ぎながら時折、水面から頭を突き出すアシカの様子を10人余りの観光客が見物し、餌を与える場面が映されている。

 女の子が海に背を向けて埠頭の端に腰掛けると、アシカが突然、水面から飛び出して女の子の服をくわえ、背中から水中に引きずり込んだ。海面からは大きな水しぶきが上がり、周囲にいた人は叫び声を上げた。1人の男性が水に飛び込んで、女の子を引き上げると、一行はすぐにその場から離れた。

 バンクーバー水族館(Vancouver Aquarium)の上級海洋哺乳類訓練士、ダニエル・ハイソン(Danielle Hyson)氏は地元紙バンクーバー・サン(Vancouver Sun)に対し、「野生動物に餌をやればやるほど、ああいう状況に陥る危険を冒すことになる」と指摘している。(c)AFP