【5月22日 AFP】今年70回目を迎えたカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)は、そのグラマラスさやきらびやかさでも有名だ。これまでにレッドカーペットを彩った女優たちを振り返る。

■2大イタリア人女優の対決

 1950年代後半、騒々しいパパラッチの注目を集めるため火花を散らしたグラマラスな2人のイタリア女優がいた。ファンから「ラ・ロロ(La Lollo)」の愛称で親しまれたジーナ・ロロブリジーダ(Gina Lollobrigida)とソフィア・ローレン(Sophia Loren、本名:Sofia Scicolone)だ。

 報道陣が公の場で火花を散らす様子を面白おかしく伝える中、カンヌは2人にとって重要な場所となり、映画ファン視線を集めた。

 この戦いは結局、1962年にヴィットリオ・デ・シーカ(Vittorio De Sica)監督の作品『ふたりの女(LA CIOCIARA)』で米アカデミー賞(Academy Awards)主演女優賞を受賞したローレンに軍配が上がった。

■熱狂的ファン

 1953年、当時無名だった仏女優ブリジット・バルドー(Brigitte Bardot)がカンヌ映画祭に初めて登場した。米俳優カーク・ダグラス(Kirk Douglas)に髪を触られ、ビキニ姿でゆったりとビーチでくつろぐ姿は、世間に大きなセンセーションを巻き起こした。

 それから14年後の1967年5月、すでに世界的なセックスシンボルとなっていたバルドーは、カンヌに再び登場。閉幕式で特別招待客のスイス人俳優ミシェル・シモン(Michel Simon)を称えるスピーチを行う役を任じられた。

 ところが、会場に入るバルドーを一目見ようと群衆が殺到し、カメラマンらの間でも小競り合いが勃発。バルドーに道をあけるため、警察が出動する事態となった。

■ボディーガード15人

 米歌手マドンナ(Madonna)は、キャリア絶頂期の1991年、自身のドキュメンタリー作品『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ(In Bed with Madonna Truth or Dare)』を引っさげてカンヌを訪れた。

 5つ星の「ホテル・ドゥ・キャップ・エデン・ロック(Hotel du Cap-Eden-Roc)にこもっていたマドンナだったが、日課となっていた15キロのジョギングでは、アンディーブ岬(Cap d'Antibes)の曲がりくねった道路の交通渋滞を引き起こした。ジョギングにはボディーガード15人が同行していた。

 試写会当日の夜には、スターを一目見ようと少なくとも1万人の群衆が会場前に押し寄せ、その間を縫うようにしてマドンナの乗ったリムジンが進んだ。

 マドンナはレッドカーペットにピンクのガウン姿で登場。歩みを止めて後ろを振り返り、ガウンの下に着用していたジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)がデザインのオフホワイトの円錐形のブラジャーがあらわになった瞬間、会場の熱気は頂点に達した。