【5月21日 AFP】ナイジェリアで20日、 2014年にイスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」に誘拐され今月解放された82人の少女たちが首都アブジャ(Abuja)で両親と再会した。

 父親たちは娘をきつく抱きしめ、母親たちはあふれる涙を拭いながら、喜びの悲鳴を上げた。娘を抱き上げたまま、ぐるぐると回って感動を表現した父親もいた。

 ナイジェリア北東部に厳格なイスラム国家の樹立を目指すボコ・ハラムは拉致を戦争の道具として、大勢の女性や少女らを誘拐してきた。

 都市部から離れたナイジェリア北東部ボルノ(Borno)州チボク(Chibok)で女子生徒276人が拉致されたのは、2014年4月のこと。世界中で非難の声が上がり、ボコ・ハラムによる凄惨(せいさん)で破壊的な暴力行為に注目が集まった。

 276人のうち57人は拉致直後に脱出し、これまでに106人が解放されたか発見されている。

 今月解放された82人は、スイス政府と赤十字国際委員会(ICRC)が仲介した何か月にもわたる交渉の末に、ナイジェリア政府が収監していたボコ・ハラムの指揮官5人と身柄交換された。ナイジェリア政府は、残り113人の解放についても交渉を継続中だとしている。

 チボクでの女性生徒誘拐以降、ナイジェリア政府はボコ・ハラムが支配していた地域のかなりの部分を奪還した。

 しかし、ボコ・ハラムによる8年に及ぶ争乱で少なくとも2万人が死亡、260万人以上が家を追われたナイジェリア北東部にとって、ボコ・ハラムは依然として脅威であり続けている。(c)AFP