【5月20日 AFP】米ミネソタ(Minnesota)州カーバー(Carver)郡の裁判所は19日、昨年4月に急逝した米国の伝説的ポップミュージシャン、プリンス(Prince)さんのきょうだい6人を遺産相続人として認める判断を下した。これにより、プリンスさんの財産と膨大な未発表曲をめぐる1年以上に及ぶ争いは大きく前進した。

 プリンスさんは昨年4月21日、同州チャナッセン(Chanhassen)にある自宅兼スタジオのペイズリー・パーク(Paisley Park)で死亡しているのが見つかった。同州カーバー郡の判事は、遺産相続人は妹のタイカ・ネルソン(Tyka Nelson)さんと5人の異父・異母きょうだい、オマール・ベイカー(Omarr Baker)さん、アルフレッド・ジャクソン(Alfred Jackson)さん、シャロン・ネルソン(Sharon Nelson)さん、ジョン・ネルソン(John Nelson)さん、ノリーン・ネルソン(Norrine Nelson)さんであるとの判断を下した。

 妹のタイカさんは、「これでようやく再び兄の法的な妹になった」「うれしい日!」と、フェイスブック(Facebook)に投稿している。

 ただし、今回の裁定によって、推定3億ドル(約330億円)ともされるプリンスさんの遺産が直ちに6人のきょうだいに相続されるわけではなく、これから1年かけて相続手続きが行われる。その間、プリンスさんと縁故があると主張する人物は訴えを起こすことは可能だが、判事が受理しない限り、相続人の1人となることはない。

 この数か月、プリンスさんの血縁者などとする複数の人々が訴え出ており、裁判所が受け付けた訴えの中には、自分はラスベガス(Las Vegas)でプリンスさんと極秘結婚したと主張する女性のものや、ツアーバスの中でプリンスさんから全財産を譲る合意を得ていたとするほぼ無名の男性ミュージシャンの訴えもあった。(c)AFP/Shaun TANDON