【5月19日 AFP】イングランドサッカー協会(FA)は18日、来季からダイブやけがを装うなど審判を欺く行為をはたらいた選手に対し、試合後に追加処分を科す方針を決定した。

 17日にウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われた年次総会でFAは、すでにスコットランド・プレミアリーグで導入されている規則に基づき、「審判を欺く行為」を新たな反則として定めることに決めた。

 疑いのあるプレーは元選手、元審判、元監督で構成される委員会が独自に映像を検証し、審判を欺いたと三者の意見が一致した場合、選手には2試合の出場停止処分が科される。

 FAは声明で「けがを装う、ファウルを受けたふりをするなどの審判を欺く行為は、反スポーツ的な振る舞いとして反則とする。シミュレーションで審判をだまし、それがPKや退場につながった事実が判明した場合、こういった行為の抑止力としてより重い処分を適用する」と発表している。

 選手が審判を欺いたと認めるか、その事実が明らかになった場合、相手側の選手に出されたイエローカードやレッドカードは撤回される。このルールは英国内のすべてのカテゴリーで適用される。

 ハル・シティ(Hull City)のロバート・スノドグラス(Robert Snodgrass)が、クリスタルパレス(Crystal Palace)戦でPK獲得のために行ったダイブなど、イングランドでは今季もいくつかのシミュレーションが注目を集めている。

 スコットランドサッカー協会は2011年に「ルール201」を導入し、審判を欺く行為を反則として定めたが、国際サッカー連盟(FIFA)は審判の権威を落とすとして懸念を示していた。

 FIFAは一貫して審判の権威にこだわり続けてきたが、ゴールラインテクノロジーの導入を提案するなど、近年はその姿勢が柔軟になりつつある。

  イングランドとスコットランドはFIFAの常任理事に名を連ねており、ダイブに対する処分は世界的な流れになる可能性がある。(c)AFP