【5月19日 AFP】米主導の有志連合は18日、ヨルダンとの国境に近いシリア東部アトタンフ(At-Tanf)で、有志連合の拠点に向かってきていたバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権派部隊の車列を空爆したと発表した。シーア(Shiite)派民兵を乗せていたとみられている。複数の米国防当局者が明らかにした。

 当局者らは今回の空爆について、あくまで防衛を目的としたものであり、米国がシリア内戦への関与を深めることは示さないと強調しているが、有志連合が今後も標的をイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」だけに絞れるのか疑問を突き付ける形となった。

 有志連合の声明によると空爆を加えた場所は、米英部隊が拠点を置くアトタンフの北西にある非戦闘地区の「かなり内側」。この拠点では米英部隊がISと戦う地元部隊に訓練や助言を行っている。

 匿名を条件にAFPの取材に応じた米国防当局者は「道路を走行していた車列に対して、アトタンフの有志連合部隊に近づき過ぎないようさまざまな方法で警告したが、反応がなかった」と説明した。

 別の国防当局者は車両に乗っていたのはシーア派民兵だったようだと語っている。

 アサド政権を支援するロシアと連絡を取った上、車列の上空で威嚇飛行や警告射撃も行ったが、最終的に車列の先頭に対して空爆を実施したという。

 アトタンフの拠点は過去数か月、繰り返し攻撃の標的にされており、先月もISによる大規模な攻撃を米主導の部隊と地元の反体制派が阻止している。(c)AFP