■子どもの人生を本当に考えて

 父親のジョーさんは電子ノートを製造するベンチャー企業の共同創立者だ。トランスジェンダーの子どもを支援する専門家やサポートグループの助言を得て、選択が具体化したという。

 ミアが男子として生きることを拒絶していたら、ミアはその後の人生を「羞恥心と、精神衛生に深刻な問題を抱えつつ育つ」リスクがあり、それには自殺リスクの増大も含まれていたとジョーさんは説明した。

 一方、夫妻が子どもの性別変更に同意すれば、体裁は悪いかもしれないし、おそらく引っ越しを余儀なくされるかもしれないが、その方がリスクが小さく思えた。ジョーさんは「保守的な物事はいずれ変わっていくと思いました。本当に危険なのは『いや、まだ早い』とか『絶対にだめ』などと言うことだった」と語った。

 この間、ルメイ夫妻は、自分の身体的性別を拒否する幼い子どもを持つ他の親たちにとって頼みの綱となってきた。ソーシャルネットワーク上で、2人はジェイコブ君が幸せを取り戻したことを何度も語った。

 2014年6月に性を変更した後、ジェイコブ君は転校し、今では彼の前の性別を全く知らないクラスメートから男子として受け入れられている。

 新しい学校では学区の援助を受けて、校長がトランスジェンダーの生徒に関する研修を開催し「我々の文化の新たな面について」教職員が質問し、理解をより深める機会を提供した。ジョーさんは「社会はやがて受け入れるようになるでしょう」と語った。(c)AFP/Catherine TRIOMPHE