【5月18日 CNS】中国は近年の消費傾向の上昇と深刻な高年齢化に伴い、空前のペットブームを迎えている。「2016ペット業界白書」によると、中国のペット業界は2010年あたりから急速に発展し、2015年には1000億人民元を超える市場規模になっている。

 しかし、中国のペット業界は爆発的成長の手前まで来たものの、なかなか起爆期には至らない。これについてドッグバス(dogbus)社の呉雅輝(Wu Yahui)CEOは、「現状は、高品質な商品やサービスが乏しい。これこそがペット業界の発展のネックになっている」と分析する。「国内で高品質なサービス、商品が供給できない深刻な原因は、現在の中国のペット市場は、あまりにも粗末すぎで供給サイドの垂直統合水準が低く、基準が定まっていないため、市場影響力が弱いからだ」。

 河北海昌ペット食品の趙景利(Zhao Jingli)社長はペットフードの例をあげ、「2016年、ペットフード消費額はペット業界全体の38%を占め、市場規模は330億7500万元、この5年間の平均成長率は35%を超えている。しかし、米国の業界ではマース(Mars)やネスレ(Nestle)などが長年の吸収合併を経て過当競争を迎えているのに対して、中国ペット食品業界はまだ同業企業全体としての市場シェア率が低く、拡大していない。2015年の中国ペット食品販売額トップ10に入る企業のうち、中国企業は7社が入っているが、シェア率はそれぞれ6%を超えていない」と話した。

 しかし、一定の制限のある外資系企業よりは、それを突破するチャンスが中国企業には残されている。「研究開発と市場開拓の改善、業界全体の市場シェア率の拡大、供給側の質などが向上すれば、ペット市場を広げる可能性がある。今後、ペットフードやペット用品のどれもが、ハイクオリティーの外国製品から国内製品へ取り替わるチャンスはたくさんある」と呉氏は述べた。

 またEコマースが進んでいく中、多くの企業がオフラインビジネスを諦め、オンラインビジネスの展開を重視しているが、ペット業界は逆にオフラインビジネスのチャンスがたくさんある。

 呉氏は、「中国ペット業界はすでに1000万店舗を超えているが、その多くは個人経営の小規模店舗だ。また面積100平方メートル以下の店舗が50%以上を占め、全体的なサービスの基準が整っていない。今後は総合的サービスプラットフォーム、需要供給の良好なバランス、人材育成などの整備を通じ、業界全体の転換とグレードアップを図りたい」と話した。(c)CNS/JCM/AFPBB News