【5月18日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、ニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)でプレーするQBトム・ブレイディ(Tom Brady)の妻ジゼル・ブンチェン(Gisele Bundchen)が17日、同選手がキャリアで複数回にわたり脳振とうに襲われていたことを明らかにした。

 ブラジル出身のスーパーモデルとして知られるブンチェンは、チャーリー・ローズ(Charlie Rose)氏が司会を務める米CBSテレビの朝のニュース番組「ディス・モーニング(This Morning)」に出演し、ブレイディが昨年脳振とうや頭部外傷を被りながら、その詳細を明かさなかったと語った。

 ブレイディが40代半ばまでプレーを続けたいと話したことについて問われると、ブンチェンは「妻として言えることは、(NFLが)いわゆる非攻撃的なスポーツではないということ。彼は昨年、脳振とうに襲われました」と答えた。

「彼の脳振とうはかなりの頻度で…、詳しくは話せません。ですが、彼は脳振とうに襲われたことがあり、続けることが健康に良いとは思えません。常にあれほどの攻撃を受けていれば、体に良いはずがありません。私としては、彼が健康でいられるように努力していくつもりですし、100パーセントの状態でたくさんのことを楽しめるよう望んでいます」

 第51回スーパーボウル(Super Bowl LI)でアトランタ・ファルコンズ(Atlanta Falcons)に大逆転勝利を飾り、QBで歴代1位となる通算5回目の優勝を飾ったブレイディは、これまでのキャリアで脳振とうや頭部外傷を負った選手のリストに正式登録されたことはない。

 ボールの空気圧の操作に関与したとされる「デフレートゲート(deflategate)」問題で、2016年シーズン開幕から4試合を欠場していたブレイディだったが、シーズン中にペイトリオッツで脳振とうに襲われた選手リストに名前はなかった。チームはブンチェンの発言に対するコメントを控えている。

 今年8月に40歳の誕生日を迎えるブレイディは先日、米スポーツ専門チャンネルESPNで、体調が許す限り「45歳くらいまで」現役を続けたいとコメントし、引退を決断する際には妻が役割を果たすことになると語っていた。

「妻が家族に関する物事を決めており、自分はそれに従ってきた。彼女が『さあ、これで終わり』と言わないことを望んでいるよ。妻と子供たちは、自分たちの時間や労力をたくさん費やしている」

 NFLでは近年、脳振とうや頭部外傷に関連した問題で厳しい目が注がれており、脳疾患を抱えるアメフトの元選手ら数千人による訴訟の補償として、2015年にはリーグが推定10億ドル(約1150億円)を提示して和解が成立している。(c)AFP