■「時限爆弾」

 ルーベン君の父親で、IT専門家のマノ・ポール(Mano Paul)氏は、自分が仕事の電話で話した間違いを6歳の頃のルーベン君に訂正されたことがあると述べ、彼がいかに早くからITのスキルを示していたかを説明した。

 AFPの取材にポール氏は、「彼はいつも、私たちを驚かせてきた。彼に何かを教えるといつも、結局は私たちが彼から教わることになる」と語っている。

 だが、ルーベン君がおもちゃの自動車を最初にハッキングし、それからさらに複雑なものに移行したのを目の当たりにして、子ども向け玩具で見つかったこれらの脆弱性に「衝撃を受けた」としながら、「これは、私の子どもたちが、いずれ悪人や悪意を持った誰かに悪用される恐れのある時限爆弾で遊んでいることを意味する」とそこに潜む危険性を指摘した。

 家族は現在、非営利組織「サイバー少林(CyberShaolin)」の設立でルーベン君を支援している。ルーベン君の習っている少林拳にちなんだ名前だ。

 同組織の目的は「サイバーセキュリティーの危険性について子どもと大人に周知すること」。製品メーカー、セキュリティー研究者、政府が協力し合う必要があるというメッセージを強く訴えたいとしている。

 将来は、米カリフォルニア工科大学(Caltech)か米マサチューセッツ工科大学(MIT)のどちらかでサイバーセキュリティーについて学び、自身のスキルを良いことのために利用したいとの目標を掲げるルーベン君。

 しかし、それがかなわない場合は、得意とするもう一つのスポーツの体操でオリンピック選手になるかもしれないと話した。(c)AFP/Jo Biddle