【5月17日 AFP】イラク第2の都市モスル(Mosul)で、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が支配する同市西部の奪還作戦を展開するイラク軍が同域の90%近くを奪還し、市内のIS勢力は「完全敗北寸前」に陥っていると、イラク軍と米主導の有志連合が16日、明らかにした。

 イラク軍はおよそ7か月前、ISに支配されたモスルの奪還を目指して大規模攻勢に乗り出した。まず東部の奪還に成功し、その後西部への攻撃に移っている。

 IS掃討作戦を統括する統合作戦軍(Joint Operations Command)のヤーヤ・ラスール(Yahya Rasool)司令部報道官(准将)は首都バグダッド(Baghdad)での記者会見で、モスル西部のIS支配領域は今や10%余りだと述べた。

 モスルが完全奪還されれば、ISはイラク国内で支配する最大人口都市を失うとともに、国境をまたいでイスラムの「国家」を樹立したという主張に大きな打撃を受けることになる。

 だがモスル奪還が完了しても、イラクにおけるIS掃討作戦が終了するわけではない。モスルを州都とするニナワ(Nineveh)州内の他地域や、キルクーク(Kirkuk)、アンバル(Anbar)が依然ISに制圧されている。また隣国シリアのラッカ(Raqa)も、ISの支配下に置かれたままだ。(c)AFP/Simon Valmary with Ammar Karim in Baghdad