【5月11日 AFP】ノルウェーの企業が10日、世界初となる電気自動貨物船を来年就航させることを計画していると発表した。計画の協力者らによると、この貨物船は1年間でトラックによる輸送4万回分に相当する二酸化炭素(CO2)を削減できるという。

 肥料メーカー大手のヤラ・インターナショナル(Yara International)は工業グループ企業のコングスベルグ(Kongsberg)と協同で、ノルウェー南部の3港間で肥料を運搬する電気自動貨物船「ヤラ・ビルケラン(Yara Birkeland)」の建造を進めている。

 計画の責任者によると、この貨物船の航行範囲は65カイリ(約120キロ)以上で、12~15ノット(22~27キロ)の速さでおよそ100個のコンテナを輸送可能だという。

 就航当初は乗組員が配置されるが、2019年には遠隔操作での航行を開始し、2020年には完全な無人での自動航行に移行する予定だという。

 ヤラ・インターナショナルによると、電気自動貨物船の導入により年間678トンものCO2削減が期待でき、船の動力に使われる電気のほとんどは水力発電所から供給されるという。

 ノルウェーは主要産油国の一つでありながら、手厚い税制上の優遇措置により電気自動車の導入が進んでいる。また有名なフィヨルド地帯を航行する電動フェリーの試験なども行っている。(c)AFP