【5月11日 AFP】アトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)との欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)準決勝を制し、大会連覇に王手をかけたレアル・マドリード(Real Madrid)のジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)監督が10日、古巣ユベントス(Juventus)との決勝でもレアルへの忠誠心が揺らぐことはないと断言した。

 ジダン監督は現役時代の2001年、ユベントスから当時の史上最高額でレアルに移籍。昨年12月には、決勝トーナメント1回戦の組み合わせ抽選会の前に、特別な感情を持つユベントスとの対戦は避けたいと話していた。

 準決勝でASモナコ(AS Monaco)を2試合合計スコア4-1で退け、決勝に進出した古巣ユベントスと対戦について、ジダン監督は「今ではどうすることもできない。彼らは決勝にたどり着いた。われわれと同じくその舞台にふさわしいよ」とコメント。

「選手としての自分にとって重要なクラブだったので、特別な試合になることは間違いない。ユベントスも私にすべてを与えてくれたクラブだ」

「しかし、現在の私はレアル・マドリードとともにある。レアルは私の命だ。最高のファイナルになるだろう」

 レアルは第1戦でクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)がハットトリックが達成し、アトレティコに3-0で先勝していた。この日は前半に2失点を喫し、第2戦を1-2で落としたものの、同じ都市に本拠地を置く宿敵を2試合合計スコア4-2で敗退に追い込んだ。

 アトレティコはサウル(Saul Niguez)の強烈なヘディングとアントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)のPKにより、開始16分でビハインドを1点にまで縮めたが、レアルは前半終了間際にイスコ(Isco Alarcon)がアウェーゴールを奪い、アトレティコの息の根を止めた。

 ロナウドは「序盤から彼らが猛攻に出ることは予想していた。彼らは運良く2得点を挙げたが、ゴールを奪えばとどめを刺すことができると分かっていた。彼らは良いプレーを披露していたが、僕たちはより多くの経験を積んでいるんだ」とコメントしている。

 レアルはチャンピオンズリーグ史上初の連覇に王手をかけた。17か月前に指揮官に就任して以降、素晴らしい成功を収めているジダン監督だが、スポットライトが自身ではなく、選手に当たることを望んでいる。

「満足している。私は監督という立場なので、それは正しい仕事ができていることを意味しているが、このチームのすべての選手は、驚くべき働きをしてくれている」

「たたえられるべきなのは選手だ。フィールドでプレーし、走り、戦っているのは彼らなのだから」

 レアルはギャレス・ベイル(Gareth Bale)が負傷のためアトレティコとの2試合を欠場したが、ジダン監督はベイルが英カーディフ(Cardiff)での決勝の舞台に立つことを願っている。

「現時点でギャレスは回復の途中だ。決勝までは時間がある。それまでに彼が戻って来てくれればいい。彼が少しでもプレーできればいいね」(c)AFP/Kieran CANNING