【5月10日 AFP】オランダサッカー協会(KNVB)は9日、代表監督にディック・アドフォカート(Dick Advocaat)氏が就任すると発表した。オランダ代表を率いるのはこれで3度目となるアドフォカート氏は、アシスタントコーチに就任したルート・フリット(Ruud Gullit)氏とともにW杯ロシア大会(2018 World Cup)出場を目指す。

 69歳のアドフォカート氏とオランダ代表のレジェンドであるフリット氏は、年末までの契約にサインしており、KNVBは今回の契約が「短期的な」救援作戦であることを認めている。

 規律を重んじることで知られるアドフォカート氏は、3月の欧州予選でブルガリアに0-2で敗れ解任されたダニー・ブリント(Danny Blind)氏の後任を務める。ブルガリアに敗れたことによりオランダは、来年のW杯出場が危機的な状況に陥っている。

 現在トルコ1部リーグのフェネルバフチェ(Fenerbahce)で指揮を執るアドフォカート氏のコーチングスタッフには、ブリント氏の解任を受けて暫定的にチームを率いているフレッド・フリム(Fred Grim)氏も加わることになる。

 KNVBのハンス・ファン・ブロイケレン(Hans van Breukelen)テクニカルディレクターは会見で、協会には「二つのシナリオ」があったと明かしている。

「長期的な問題解決を見据えるか、または2018年のW杯に出場するためにすべてを尽くすかという判断があった。われわれは後者を選択したので、威厳のある経験豊富な指導者が必要だった」

 アドフォカート氏とフリット氏の契約は、チームが奇跡的に本大会の出場権を獲得すれば延長されることになっているが、そうならなかった場合、協会は「方向性を考える」と明かしている。

 アラブ首長国連邦(UAE)、韓国、ロシア、セルビア、ベルギーなど各国代表チームを指揮してきたアドフォカート氏は、1992年から1994年、2002年から2004年にオランダ代表を率いている。

 W杯で3度準優勝の実績を誇るオランダだが、2016年の欧州選手権(UEFA Euro 2016)では予選敗退に終わるなど近年は低迷しており、W杯の出場権獲得も厳しい状況に立たされている。

 敵地ソフィア(Sofia)でブルガリアに敗れたオランダは、現時点でグループA首位のフランスと6ポイント差の4位に低迷している。

 6月9日に予選のルクセンブルク戦を控えるオランダは、5月31日にモロッコと、6月4日にコートジボワールと親善試合を行う。

 フェネルバフチェとの契約は6月1日までとなっているが、クラブの許可が下りたため、アドフォカート氏はモロッコとの親善試合にも帯同する見込みとなっている。(c)AFP