【5月10日 AFP】イタリア・セリエAのインテル(Inter Milan)は9日、シーズン終了まで3試合を残してステファノ・ピオリ(Stefano Pioli)監督およびスタッフを解任したと発表した。

 開幕後2か月で指揮官の座を追われたフランク・デ・ブール(Frank de Boer)氏の後任を務めたピオリ監督は、来季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2017-18)出場権の獲得が至上命令となっていたが、ヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2017-18)の出場権すらも厳しい状況に追い込まれていた。

 クラブは声明で、「インテルはステファノ・ピオリ監督および彼のコーチ陣と別々の道を歩む」と発表している。

「結果的に難しいシーズンになってしまったが、6か月間にわたるステファノと彼のチームの献身と努力に感謝している。クラブは来季に向けた計画を始動する」

 2010年にジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督の下で3冠を達成し、イタリア勢最後のチャンピオンズリーグ制覇を果たしているインテルは、チェルシー(Chelsea)を指揮するアントニオ・コンテ(Antonio Conte)監督の引き抜きを画策していると報じられている。

 なお、今シーズン残り3試合は、ユース監督のステファノ・ヴェッキ(Stefano Vecchi)氏が指揮を執ると発表されている。

 中国の蘇寧(Suning)グループがオーナーを務めるインテルは、開幕前は3位以内に入って2012年以来となるチャンピオンズリーグ復帰が期待されていたが、選手との不仲が伝えられたデ・ブール氏は、就任後わずか85日で解任された。

 昨年11月に指揮官に任命されたピオリ監督は、初陣となったACミラン(AC Milan)とのダービーでは2度リードされながらも引き分けに持ち込み好スタートを切ったが、結果としてチームを立て直すことはできなかった。

 ピオリ監督がキャプテンでエースのマウロ・イカルディ(Mauro Icardi)を途中交代させる決断を下した7日のジェノア(Genoa CFC)戦に0-1で敗れたインテルは、ヨーロッパリーグに出場する6位のミランに3ポイント差をつけられている。

 白星のないここ7試合で5敗目を喫したインテルは、この間フィオレンティーナ(Fiorentina)に4-5でまさかの逆転負けを喫し、降格圏内に低迷するクロトーネ(FC Crotone)にも1-2で敗れている。

 4月22日のフィオレンティーナ戦でインテルは、途中まで2-1とリードしていたものの、後半の15分間で大量4点を奪われて逆転を許した。

 インテルのスポーツディレクターを務めるピエロ・アウシリオ(Piero Ausilio)氏は、「インテルのようなクラブに見合わない終盤戦の戦いであり、われわれには受け入れられない」と語り、選手に怒りの矛先を向けている。

「この状況に対し責任があるのは君たちだ。そしてそこからわれわれを抜け出させなければならないのも君たちだ。このユニホームの誇りを見せなければならない」

 また、フィオレンティーナ戦後にピオリ監督は、「われわれはどん底にいる。チームであることをやめてしまった」とコメントしている。

「何が起きたのか説明がつかない。前半は素晴らしかったが、後半は完全に意識不明の状態に陥ってしまった」

 なお、伊メディアはインテルがチェルシーのコンテ監督、クラブOBでアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)を率いるディエゴ・シメオネ(Diego Simeone)監督に具体的なオファーを提示し、両者に3週間の検討期間を与えたと報じている。(c)AFP