【5月7日 AFP】フィリピンの首都マニラ(Manila)の旧市街で6日、2度の爆発があり、警察によると2人が死亡、6人が負傷した。

 警察は当初、爆発にテロ攻撃の可能性を示すものはないと発表したが、その後、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が傘下の通信社アマック(Amaq)を通じて犯行声明を出した。ISは、爆発はイスラム教シーア派(Shiite)を狙ってISの戦闘員が実行したものだと主張した。ISが主張した死傷者は死者5人、負傷者6人で、死者が警察発表より多くなっている。

 マニラ首都圏警察のオスカル・アルバヤルデ(Oscar Albayalde)署長によると、1度目の爆発は6日午後6時(日本時間同7時)ごろ、大規模なスラム街がある旧市街のキアポ(Quiapo)地区のモスク(イスラム礼拝所)の近くで発生し、2人が死亡、4人が負傷した。オートバイで届けられた小包が爆発したとみられ、死亡した2人はオートバイの運転手と小包の受取人だったという。

 AFPのカメラマンら報道陣が1度目の爆発現場を取材していた同日午後8時30分(日本時間同9時30分)ごろ、近くで2度目の爆発が発生した。アルバヤルデ署長は民放テレビ局GMAに、1度目の爆発の現場検証を行っていた警察官2人が負傷したと語った。

 爆発は2度とも衣類や雑貨を売る露店が並ぶ狭い道路沿いで起きた。イスラム教住民センターのすぐ前で、ゴールデン・モスクからもわずか100メートルほどの距離だ。

 フィリピンは国民の大半がカトリック教徒だが、相当数のイスラム教徒もおり、その一部はキアポに住んでいる。

 キアポでは東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議が数キロ先で開かれた先月28日にも爆発があり、14人が負傷していた。ISはこの爆発でも犯行声明を出したが、警察はテロではなくASEANの会議との関係もないと発表していた。(c)AFP/Mynardo MACARAIG