【5月8日 AFP】ウガンダ・ユンベ(Yumbe)にある難民キャンプで大勢の南スーダン難民が食料の配給を待っている──。そばで客待ちしているバイクタクシー運転手のサディク・アゴトレさんは彼らが客になることはめったにないと不満を漏らす。

 アゴトレさんは「商売はよくないね。この人たちには金がない」と語り、わずか8か月で低木などが生い茂る森から27万人以上が暮らす世界最大の難民キャンプ「ビディビディ(Bidibidi)」へと様変わりした広大な土地を見やった。

 ウガンダはこれまで、難民を温かく歓迎していると称賛されてきた。しかし隣国の南スーダンの内戦により1日2000人以上の難民が同国に流入しているなか、地元コミュニティーや支援団体はその重圧に押しつぶされそうになっている。

 人口50万人のユンベ(Yumbe)では、地元で展開されている人道活動が仕事に還元されずにいるため、住民の多くはいらいらを募らせている。しかも、もともとそこまで豊富ではない資源が、この影響でさらに手に入りにくくなっており、状況はより厳しいものになっている。

 ユンベで小売店を営むナシャール・ドブレ―さんは「これ(難民危機)のせいでここはだいぶ変わった。ストレスの度合いが増えた。仕事のストレスがものすごく増えた。食料価格は上がる一方だ。彼らは木を切るから地元の環境にだって良くない」と語る。

 ビディビディ難民キャンプは昨年8月、南スーダンのサルバ・キール(Salva Kiir)大統領派とリヤク・マシャール(Riek Machar)前副大統領派の間で結ばれていた停戦協定が崩壊し、2013年に勃発した内戦状態に戻ったことによって生じた難民の大量流入に対処するために設置された。

 ビディビディはほんの数か月足らずで、主にソマリア難民を受け入れているケニアのダダーブ(Dadaab)難民キャンプを追い越し、世界最大の難民キャンプとなった。

 しかしこの広さ250平方キロメートルのビディビディでさえ、南スーダン難民を部分的にしか収容できてない。これまでに南スーダンからウガンダに流入した難民は計83万人。国連(UN)の予測によると、今年半ばには100万人を超えるとみられている。

 国連世界食糧計画(WFP)のウガンダ副代表を務めるシェリル・ハリソン(Cheryl Harrison)氏は、月に1万5000トンの食料を配送するロジスティクスの困難さを指摘している。