【5月4日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)の主催者は3日、薬物使用による出場停止処分から復帰したマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)にワイルドカード(主催者推薦)を与えるかについての結論は、予選開幕の数日前となる6月20日以降に下すと発表した。

 2004年のウィンブルドンを制したシャラポワは、昨年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)で禁止薬物のメルドニウム(Meldonium)に陽性反応を示した後、先週のポルシェ・テニス・グランプリ(Porsche Tennis Grand Prix 2017)でツアー復帰を果たした。

 メルドニウムに関しては摂取を認めたものの、2016年から禁止薬物リストに分類されていたのは知らなかったと主張したシャラポワには、当初2年間の出場停止処分が科されたが、最終的には15か月間に短縮されていた。

 自身のスポンサー企業である独自動車メーカーのポルシェ(Porsche)が主催する大会にワイルドカードで出場した30歳のシャラポワは準決勝まで進出。しかし、現在の世界ランキングはいまだ262位と低迷しており、四大大会(グランドスラム)通算5勝の元女王がWTAの大会に出場するには主催者推薦に頼らざるを得ないのが現状だ。

 ただ、シャラポワはマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2017)とイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2017)に出場することがすでに決まっているため、ウィンブルドンの主催者側は、同選手が予選出場の目安となる200位もしくはトップ100の大台をクリアして本選出場資格を獲得できるか様子をみるとしている。

 オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(All England Lawn Tennis and Croquet ClubAELTC)の最高経営責任者(CEO)を務めるリチャード・ルイス(Richard Lewis)氏は3日、「ワイルドカード付与にあたっては、長きにわたって確立されたプロセスがあり、大会2週間前から要求を検討することになっている」とした上で、「ランキングに基づき、どの選手に本選出場が認められるのかが判明する会議が6月20日に開かれる。その日まではいかなる決断も下さない。全事実が判明するまで待つ」と話した。(c)AFP/Steven GRIFFITHS