【4月30日 AFP】ボクシング、WBA・IBF・IBO世界ヘビー級タイトルマッチが29日、英ロンドン(London)のウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われ、IBF王者のアンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)が11回TKOでウラディミール・クリチコ(Wladimir Klitschko、ウクライナ)に勝利し、9万人の観客の前で繰り広げられた激闘を制した。

 ジョシュアは5回にクリチコからダウンを奪うと、6回には41歳の元王者にプロ初となるダウンを奪われたが、11回にクリチコを2度倒した。IBF王座防衛を果たすとともに、空位となっていたWBAのベルトを手に入れ、無敗記録を19試合に伸ばした。英国人選手がWBAとIBFのヘビー級タイトルを同時に手に入れるのは、2002年のレノックス・ルイス(Lennox Lewis)以来となった。

 ジョシュアは「言葉にならない。3年半で19勝0敗だ。以前も話した通り、自分は完璧ではないが、そうなろうとしているし、努力を怠れば落ちていくだけだ。ボクシングでは、エゴを捨てて対戦相手に敬意を払わなくてはならない。だから、ウラディミール・クリチコには大いに感謝したい」とコメントした。

 一方、2004年のレイモン・ブリュースター(Lamon Brewster)戦以来のTKO負けを喫したクリチコは、これで通算戦績を64勝5敗としている。

 2015年11月にタイソン・フューリー(Tyson Fury)にまさかの判定負けを喫し、3個のベルトを失ったクリチコは、その後フューリーとの再戦が2回流れたため、その試合以来の実戦に挑戦者として臨んだが、タイトル奪還はならなかった。

 クリチコは英スカイ・スポーツ(Sky Sports)に対し、「今夜は最高の男が勝利し、ボクシングにとって非常に大きなイベントだった。二人の紳士が戦い、きょうはアンソニーに軍配が上がった。勝てなくて残念だ」と語った。(c)AFP