【4月29日 AFP】フィリピンの首都マニラ(Manila)で27日、政府の人権委員会がスラム街にある警察署を抜き打ち訪問したところ、十数人が狭い「隠し監房」に拘束されていたのが発見された。この事態について、同国のロナルド・デラロサ(Ronald Dela Rosa)国家警察長官は28日、この警察署を視察し、部下の行動を擁護した。

 拘束されていた男女十数人はすでに通常の監房へ移動されたが、人権委員会に対し、1週間ほど前に麻薬の使用または取引の容疑で身柄を拘束され、警察に釈放と引き換えに多額の金銭を要求されていたと話している。

 今回の事態をめぐっては激しい非難の声が上がり、警察官数人が処分を受け、公式な調査も開始された。だが、この警察署を訪問したデラロサ長官は「拘束されている者に対し、拷問や強要が行われていなければ私的には問題ない」と報道陣に述べた。

 またデラロサ長官は、拘束されている十数人が金銭を要求されていたとの疑いを否定し、独立機関である人権委員会が、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の開催に合わせてロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領を失墜させようとした策略だとして同委員会を非難した。(c)AFP