【4月29日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するマクラーレン・ホンダ(McLaren-Honda)のエンジンサプライヤーであるホンダ(Honda)が28日、信頼性に問題を抱えているにもかかわらず、来季から少なくとも3チームにパワーユニットを供給することを望んでいると明らかにした。

 マクラーレンとタッグを組み大きな注目を集めるなかで2015年シーズンからF1に戻ってきたホンダは、アイルトン・セナ(Ayrton Senna)氏とアラン・プロスト(Alain Prost)氏を擁して王者に君臨していた順風満帆な日々を再び目指してきた。しかし、勝利を祝うどころが、ホンダは度重なるエンジントラブルに見舞われるという負のスパイラルに陥っている。

 ホンダのF1部門で総責任者を務める長谷川祐介(Yusuke Hasegawa)氏は、「F1活動を開始した当初から、われわれはこのF1界への支援を約束してきました。その観点から、われわれは複数のチームを支援していかなければなりません」と述べた。

「そのうえで、われわれにとっても利益になるものと考えています。なぜなら、データや走行機会を増やすことができるからです。そのため2チーム目、3チーム目と契約することを否定しません」

 マクラーレンがさらなるエンジンの問題に悩まされている第4戦ロシアGP(Russian Grand Prix 2017)のパドックでは、ホンダがザウバー(Sauber)のほか、少なくとももう1チームと交渉しているという情報が流れていた。

 長谷川氏が「複数のチームと交渉していますが、現時点では残念ながら何もお話できることはありません」とコメントするなか、シーズン開幕から不振が続いているマクラーレンは、ストフェル・バンドーン(Stoffel Vandoorne)が再びエンジントラブルを起こし、30日の決勝レースでグリッド降格となる新たな打撃を受けている。

 前回のバーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2017)でも両ドライバーがトラブルに見舞われ、エンジンの問題が深刻化しているマクラーレンは、今週末にロシア・ソチ(Sochi)で行われるレースで、バンドーンと世界王者に2度君臨しているフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)がともに部品を交換することになっていた。

 ところが、28日に行われた1回目のフリー走行で再びマシンに問題が発覚したバンドーンは、パワーユニットを新品のものに交換することになり、今季4戦目を待たずに規定の基数を超過。これで15グリッドの降格が科されることになったバンドーンへのペナルティーは、ホンダエンジンのトラブルが続くマクラーレンにとって、ほとんど当たり前のような状況となっている。(c)AFP