■原因は不明

 調査チームは、今回の異常な大量死の原因についてまだ解明には至っていないことを強調する。ギャロン氏も「これまでに検査を行ったクジラには、感染症の兆候はみられなかった」と指摘した。

 ザトウクジラの大半は、もはや絶滅危惧種とはみなされていない。個体数が回復に向かっているとの理由から、2016年には米国の絶滅危惧種リストから外された。北大西洋(North Atlantic)には現在、1万頭以上のザトウクジラが生息している。

 1982年に施行されたザトウクジラの捕鯨に対する国際的な商業捕鯨モラトリアムは、現在もまだ効力がある。

 NOAAによると、大西洋のザトウクジラの異常な個体数減少は過去にも2003年、2005年、2006年にそれぞれ報告されているという。これらの大量死の原因は特定されていない。(c)AFP/Kerry SHERIDAN