【4月28日 AFP】中米エルサルバドルで27日、世界で初めて金属鉱物の探査や採掘などを全面禁止する法律が施行された。活動家らは環境保護に向けた画期的な動きだとして歓迎している。

 27日付の官報によると、この法律によってエルサルバドルでは「金属鉱物の調査、探査、採掘、抽出、加工」が禁止された。法案は議会が3月に可決し、サルバドル・サンチェス・セレン(Salvador Sanchez Ceren)大統領が署名していた。

 地元環境団体の幹部はAFPの取材に、この法律は「目新しいどころのものではない」と指摘。国内の金属鉱業は地元に何の恩恵ももたらさないばかりか、水源など環境の深刻な汚染を引き起こしているとし、そうした状況の中では必要な法律だと意義を強調した。

 一部の中南米諸国は鉱物資源の輸出で潤っているが、地元からは採掘などの過程で使われる有毒金属は環境を危険にさらすと反発する声も上がっている。

 エルサルバドル政府は外資の鉱業大手と対立してきた経緯がある。今月も、オーストラリア・カナダ系の金鉱山会社オセアニアゴールド(OceanaGold)に対して、同社が採掘許可をめぐって敗訴した訴訟の費用として資産没収に踏み切っている。(c)AFP