【4月25日 AFP】南米パラグアイで24日、約50人の武装集団が警備会社を襲撃し、金庫から大量の現金を強奪して逃走した。武装集団との銃撃戦で警察官1人が死亡しており、当局は「世紀の強奪事件」として捜査を進めている。

 強奪事件が発生したのはパラグアイ南東部シウダデルエステ(Ciudad del Este)。当局と目撃者によると、ブラジル人とみられる武装集団は銃や爆薬、軍事用の兵器を所持し、警備会社と複数の警察署を2時間にわたって襲撃した後、逃走した。事件現場には紛争地帯のような激しい襲撃の跡が残されている。

 検察当局によると事件発生時、警備会社の金庫は「満杯」で、最大4000万ドル(約44億円)の現金が強奪された可能性があるが、被害額はまだ確認されていない。

 パラグアイ内務省はツイッター(Twitter)で、同国とブラジルの警察当局が国境付近で襲撃犯の共同捜索を行っており、これまでに容疑者3人を殺害し、少なくとも4人の身柄を拘束したと明らかにした。この付近はイグアスの滝(Iguazu Falls)に近く、国境警備が行き届いていない。

 内務省がツイッターに投稿した写真には、血がにじんだ迷彩服を着た男の遺体のそばに警察官が立っている様子が映っている。また逃走用とみられる車両や押収された銃弾や防弾チョッキの写真も掲載されている。

 ブラジル当局は武装集団との衝突で死者が出たことは認めたが、詳細は明らかにしていない。

 警察当局によると、武装集団にはブラジル最大の麻薬組織の一つである「首都第一コマンド(PCC)」のメンバーが含まれているという。PCCはサンパウロ(Sao Paulo)を拠点にしており、リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)や国内全土の刑務所内で縄張り争いを繰り広げている。(c)AFP/Hugo OLAZAR