【4月23日 AFP】米俳優シャイア・ラブーフ(Shia LaBeouf)さん(30)が20日、自身のアートプロジェクトがドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の支持者らに妨害されたことについてAFPの取材に答え、「孤独」で「怒りに満ちた」集団だと語った。

 アーティストでもあるラブーフさんは今月12日から、フィンランド北部の人里離れた山小屋の中で1か月間を過ごす、孤独をテーマにしたパーフォーマンスアートを始めた。山小屋は首都ヘルシンキ(Helsinki)から北へ約1000キロのラップランド(Lapland)地方にあるが、詳細な所在地は公表されていない。

 外部との唯一のつながりは、ヘルシンキ現代美術館(Museum of Contemporary Art Kiasma)に設置された山小屋の中にあるスクリーンだ。ラブーフさんがメッセージをタイプするとスクリーンに映し出され、来館者はそれを読むことができる。

 ところがプロジェクト開始から数日後、同美術館の山小屋の外に警備員を配置せざるを得ない事態が起きた。トランプ氏の大統領選のスローガン「Make America Great Again(米国を再び偉大な国に)」の文字が入った帽子をかぶった若い男性たちがやって来て、ラブーフさんと来館者とのやり取りを妨害したのだ。

 ラブーフさんは秘密の山小屋からビデオ通話でAFPの取材に応じ、この男性たちについて「孤独で、怒りに満ちていた」とし、「ヘイトスピーチ」だと非難した。「彼らは携帯電話の中に生きていて、顔を上げることはほとんどない……たいてい男性で白人だ」と語った。

 男性たちは美術館を訪れたときの様子を携帯電話で撮影し、匿名サイトに投稿した。このサイトには、ラブーフさんの居場所を突き止めてやるという脅迫めいた内容も書き込まれている。

 このアートプロジェクトにはラブーフさんのアーティスト仲間2人も参加している。来館者はビデオ機能を通してラブーフさんたちの様子を見たり、場合によっては話し掛けたりすることもできる。ただし、ラブーフさんらはメッセージをタイプするだけで、3人が互いに会話することはできない。

 ラブーフさんは1月、米ニューヨーク(New York)にある映像博物館(Museum of the Moving Image)の前でトランプ大統領に抗議するプロジェクトを行っていた際、男性に暴行を加えた疑いで逮捕されたが、後に釈放されている。(c)AFP/Anne KAURANEN