【4月22日 AFP】英中部シュロップシャー(Shropshire)の大学にあるピアノの鍵盤の下からビクトリア朝時代の金貨が大量に見つかり、大学とピアノ調律師がこれを受け取ることになった。

 発見されたのは、1847~1915年に鋳造された1ポンド金貨と半ポンド金貨、計913枚。シュロップシャーにあるビショップ・キャッスル・コミュニティー・カレッジ(Bishops Castle Community College)が昨年のクリスマス前、大学に寄贈されたアップライトピアノの調律のために呼んだ調律師が発見した。動きが少し硬い鍵盤を取り除くと、布の包み7個と革の巾着袋1個に丁寧に縫い付けられた金貨が現れたという。この種の発見としては、英国で最大規模とみられる。

 当局は20日、これらの金貨を財宝に認定した。通常は300年以上前に造られた硬貨しか認定されない。

 金貨の価値を調べた大英博物館(British Museum)は、数十年にわたって収集されたもので、1920年代後半にピアノの中に入れられたようだとブログに投稿した。一部の現地紙では、30万~40万ポンド(約4200万~5600万円)の資産価値があると推定している。

 金貨が発見されて以降、当局は持ち主を捜しており、これまでに40人以上が名乗り出たが、証明が不十分で認められていない。

 英国財宝法(Treasure Act)によると「財宝評価委員会(Treasure Valuation Committee)が、財宝の価値と、発見に寄与した人物にいくら渡るかを決める」とされている。大学にピアノを寄贈した夫婦と、それを30年以上所有していた人物には何も与えられない見込みだ。(c)AFP