【4月21日 AFP】(写真追加)スペインのピレネー山脈(Pyrenees)で、約2億4700万~2億4800万年前の化石化した足跡を発見したとの研究報告が発表された。これまで知られていなかった新種の爬虫(はちゅう)類が残したものと考えられるという。

 スペインのバルセロナ自治大学(Autonomous University of Barcelona)とカタルーニャ古生物学研究所(Catalan Institute of Palaeontology)の研究チームの声明によると、この足跡は、ワニや恐竜の祖先に当たる主竜形類として知られる分類群の古代爬虫類が残した一連の移動痕の中から発見されたという。

 研究チームは、米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)に発表した論文の中で、新種爬虫類を「Prorotodactylus mesaxonichnus」と命名した。この爬虫類は全長が約1.5メートルで、外見はワニに似ているが、より幅の広い足を持っている。

 足跡はフランスとの国境に位置するスペイン北東部のピレネー山脈で発見された。研究チームによると歩行に四肢をすべて使用する動物によって残されたもので、歩行の際には尾の跡も地面に残される場合が多いことが、足跡化石から示唆されるという。

 研究チームは、古代のピレネーにあった河床では主竜形類が優勢を占めていたと考えている。チームは現在、足跡を残した生物の化石化した骨の探索を行っているという。

 当時、地球は今日とかなり異なっていた。現在の各大陸は一つの超大陸パンゲア(Pangaea)を形成しており、地球は陸と海の生物を壊滅させ生物種の約90%が姿を消した約2億5200万年前の大量絶滅から回復しつつあった。(c)AFP