【4月21日 AFP】(写真追加)昨年の終わり、アルゼンチン人のアメリア・バナンさん(34)は交通事故後の昏睡状態の中で出産した。そして4か月後の先週、意識を取り戻し、ついに息子を自分の手に抱いた。

 警官のバナンさんは2016年11月1日、同僚たちとパトカーに乗っているときに事故に遭い、重傷を負った。赤ん坊の父親である警官も一緒だった。

 妊娠していたバナンさんはポサダス(Posadas)の病院で昏睡状態に陥ったが、出産は予定通り進めることになった。

 約2か月後のクリスマスイブの夜中、バナンさんは男の子を帝王切開で出産。サンティノ君は健康そのものだった。

 サンティノ君の世話をしたのは、バナンさんの姉妹のノーマさん。毎日午後6時に、サンティノ君を病院にいるバナンさんのところまで連れて行ったという。

 先週ついに目覚めたバナンさんは最初、ノーマさんに連れて来られたサンティノ君を自分のおいだと勘違いした。そこで家族はバナンさんに喜びのニュースを伝えたという。

 バナンさんは自分の身に何が起きたかについて思い出し始めた。最初はうまく話せなかったが、徐々に理解してもらえるようになった。

 バナンさんの兄弟で同じく警官でもあるセサールさんは言う。「医師らによれば、アメリアはすべての科学的理論を覆した。本当に奇跡的なケースだと言われた」(c)AFP