【4月20日 AFP】大統領選挙の第1回投票を週末に控えたフランスで19日、極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首が選挙戦最後の大規模な集会を行い、イスラム過激思想に影響されたテロから目を背けているなどとして他候補を強く非難した。

 集会は、前日に襲撃を計画した疑いで男2人が逮捕されたマルセイユ(Marseille)で開かれた。支持者およそ5000人を前に演説したルペン氏は、「選挙活動開始以降、一貫してイスラム過激思想に触発された恐ろしいテロリズムを非難してきた」と訴え、「対立候補は誰もこの話題を論じようとしない」と批判した。

 ルペン氏は、他候補らが「この問題についてだんまりを決め込み、もみ消し、ごみを掃いてカーペットの下に隠すかのように遠ざけようとした」と指摘。さらに、「他候補らが沈黙するのは恥を感じているからだ。脅威を減らすための措置を講じず、このような災いを悪化させる状況すら生み出した政府の一員もしくは指導者だったことの恥だ」と非難した。

 集会は厳重な警備の下で行われたが、会場外では約500人がルペン氏に反対するデモを実施。会場に向かって行進を試み、一部の参加者が爆竹を投げるなどした。これに対し警察は催涙ガスを発射し、4人を逮捕した。

 19日に発表された最新の世論調査によると、中道系独立候補のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)前経済相が支持率23%で、22.5%のルペン氏を僅差でリードしているが、両者ともわずかに支持率を落とした。

 右派・共和党のフランソワ・フィヨン(Francois Fillon)元首相が支持率を19.5%まで伸ばし、極左のジャンリュック・メランション(Jean-Luc Melenchon)氏も19%に迫るなど、主要4候補の差は縮まっている。(c)AFP/Guillaume DAUDIN with Adam Plowright