【4月19日 AFP】欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)準々決勝第2戦のユベントス(Juventus)戦で、決勝トーナメント1回戦に続く奇跡が求められるFCバルセロナ(FC Barcelona)のルイス・エンリケ(Luis Enrique)監督は、突破には少なくとも5点が必要になると話しつつ、失うものは何もないと逆転に意欲を見せた。

 バルセロナは決勝トーナメント1回戦のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)戦で、第1戦を0-4で落としながら第2戦を6-1で制してチャンピオンズリーグ史に残る逆転突破を果たした。そして準々決勝でも、チームは第1戦に0-3で完敗しており、第2戦では本拠地カンプ・ノウ(Camp Nou)でまたしても高い壁に挑戦しなくてはならない。

 すでに今季限りでの退任を発表しており、バルセロナの指揮官としてチャンピオンズリーグの試合に臨むのはこれが最後になる可能性があるエンリケ監督は、「前回よりも得点は少なくていいが、相手にも得点チャンスがあり、ゴールがいつでも決まる可能性があることを考えれば、われわれの目標は5得点だ」と話した。

 エンリケ監督はPSGとの第2戦を前に、リオネル・メッシ(Lionel Messi)、ルイス・スアレス(Luis Suarez)、ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)の3トップを中心とした攻撃陣には6点を取る力があると話し、奇跡の逆転を「予言」した実績がある。

 さらに監督は、今回も約10万人が集結すると予想されるサポーターに対して、PSG戦と同じ後押しをしてほしいと訴えた。

「われわれには失うものはないし、プレッシャーもない。ユベントスは準決勝をほぼ手中に収め、引いて守るか、それとも1点を取りに出るかを決めなくてはならない。われわれの選択肢はただ一つ、今回も攻めて攻めて攻めまくるだけだ」

「1点目が決まりさえすれば、カンプ・ノウが2点目を決めさせてくれるだろうし、そうなれば3点目も自然に決まると確信している」

■「完璧な試合が必要」とイニエスタ

 主将のアンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)は、第1戦が「ひどい結果」だったこともあって、監督より慎重な姿勢を見せているが、ユベントスの選手に不安を抱かせれば可能性はあると話している。

「最近では、どのチームも僕らに大きな敬意を払う。きっとユベントスも、自分たちを苦しめる力がこちらにあるのをわかっているはずだ。僕らには第1戦の結果をひっくり返せる、少なくともそれに近づけると信じるだけのポテンシャル、選手、そして理由がある」

「相手の心に不安を呼び覚まさなくてはならない。そうすれば、向こうも試合のどこかで、これはまずいかもしれないと思い始める。あらゆる意味で完璧な試合をすること。すべてはそこにかかっている」

 6週間前の試合では、バルセロナはロスタイムを含めた試合最後の7分間に3ゴールを挙げ、PSGの選手が思わずぼうぜんと立ち尽くす劇的な幕切れを引き寄せた。

 そのためエンリケ監督は、今季チャンピオンズリーグ9試合でわずか2失点のユベントス守備陣に対して序盤に得点できなくても、逆転を信じる気持ちを失ってはならないと強調している。

 監督は、「どうか80分で席を立たないでほしい」とファンにメッセージを送った。

「われわれは最後まで戦う。PSG戦のような試合を成し遂げたわれわれには、再び歴史的な夜を作り出すチャンスがある。知っての通り、バルサは3分間で3ゴールできるチームだ。だから95分まで残ってほしい」 (c)AFP