【4月19日 AFP】ASモナコ(AS Monaco)との欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)準々決勝第1戦を前に、ショッキングな爆発事件に遭ったボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)だが、19日の第2戦を控えてトーマス・トゥヘル(Thomas Tuchel)監督は、事件の影響はもうないとチームの仕上がりに自信を見せている。

 ルイII世スタジアム(Stade Louis II)で行われた記者会見に臨んだトゥヘル監督は、「われわれは事件を乗り越えた。気持ちの部分でも落ち着いているし、試合に100パーセント集中している」と話した。

 ドルトムントは11日、試合会場へ向かう途中でバスが爆発に巻き込まれたが、試合は翌日に開催され、チームは本拠地で2-3の敗戦を喫した。トゥヘル監督も、試合を開催した欧州サッカー連盟(UEFA)の決断を非難していた。

 それでも逆転を目指す監督は、「先週の件がチームの結束を強めたし、われわれを前よりも強くした。良いパフォーマンスを出す必要があるし、それができる自信がある」と話した。

 準決勝進出を目指すドルトムントには、ドイツ代表マルコ・ロイス(Marco Reus)の復帰という追い風もある。第1戦はけがで招集されず、攻撃されたバスにも乗っていなかったロイスだが、15日のリーグ戦では復帰早々にゴールを決めた。

 27歳のロイスは事件について、「自分はスタジアムにいて、そこで知らせを受けた」と話した。

「どの選手にも自分なりの受け止め方がある。僕もそれなりの年齢だし、多少は経験もあるから、みんなを助けるのが僕の目標だ。必要があれば話をして支えになりたい」

「今回のことで絆が深まった。僕らは本当のチームであり、本当の仲間だ。あした(19日)はそれをピッチで証明したい」

 11日の爆発では、警察官1人が負傷し、チーム関係者ではDFのマルク・バルトラ(Marc Bartra)が飛んできたガラス片で手首を負傷して手術を余儀なくされた。

 犯人については、事件の直後にイラク人の男が身柄を拘束されたが、後に関与が否定された。現在は犯行声明と思われるものが3件見つかっているが、警察は今も容疑者を捜索している。(c)AFP