【4月18日 AFP】サバイバリズム──食糧備蓄などをして文明の終わりに備えること──という言葉は、孤立した非都市部の保守的な米国人と関連づけて語られることが多かった。

 だが今、シリコンバレー(Silicon Valley)の富裕層をはじめ多くのリベラルな人がこの運動に加わっている。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の誕生で恐怖に駆られているためだ。

 サバイバリストは数十年前から存在しているが、この運動が勢いを得たのは近年自然災害や金融危機が続いてからだ。特に2005年の大型ハリケーンの「カトリーナ(Katrina)」や12年の「サンディ(Sandy)」、08年の世界金融危機が契機となった。

 終末に備える人々を支援するサバイバリストのショーを開いているロン・ダグラス(Ron Douglas)氏は、2010年には年間1回しかイベントを開催せず参加者は5000人だったが、今では年間6回開催して1万人が参加すると語る。

 リベラル、保守問わず、サバイバリストたちは竜巻やハリケーン、地震に加えて、「暴動や政府の崩壊、ロシアや中国の侵略を恐れている」と、ダグラス氏は言う。

 バラク・オバマ(Barack Obama)前政権下では共和党のサバイバリストらが落ち着かない様子だったが、今はリベラル派の間で不安が高まっている。

 トランプ氏が昨年11月の大統領選で勝利するまで、ダグラス氏のショーに来ていた人は主に共和党支持の白人男性だった。現在は、そうしたミリタリースタイルの服装を好む人たちに加えて、ドレッドヘアやビーチサンダル姿の男性も目立つ。