【4月17日 AFP】(写真追加)トルコで16日、大統領権限を強化する憲法改正の是非を問う国民投票が行われ、即日開票の結果、賛成派がわずかな差で勝利した。レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領はトルコが「歴史的決断」を下したと勝利宣言した。ただ、賛否が拮抗(きっこう)して国内は分断されており、反対派は不正があったと反発している。

 半国営アナトリア(Anadolu)通信は選挙管理委員会の発表として、開票率99.5%の時点で賛成が51.4%、反対が48.6%となったと伝えた。高等選挙管理委員会(YSK)の委員長も、賛成派が勝利したと認めた。

 トルコは今回の歴史的な国民投票を受けた憲法改正によって、建国の父ムスタファ・ケマル・アタチュルク(Mustafa Kemal Ataturk)初代大統領、後継のイスメト・イノニュ(Ismet Inonu)第2代大統領以降のどの歴代大統領よりも強い権限をエルドアン大統領に与える大統領制度に移行する。

 トルコは1952年に北大西洋条約機構(NATO)に加盟し、過去半世紀にわたって欧州連合(EU)への加盟も目指してきた経緯もあるだけに、今回の投票結果は単なる改憲の承認にとどまらず多方面に影響が及びそうだ。

 賛成派は街頭に出て旗を振り、エルドアン大統領の勝利を祝った。大統領は勝利を宣言するとともに、死刑復活の是非を問う国民投票を実施する可能性に言及した。

 一方、反対派は投票結果に異議を唱えている。反対派は投票に先立ち、賛成派のポスターばかりが街頭に目立ち、反対派の声が報道から締め出されるなど選挙運動が不公平な条件で行われていると訴えていた。(c)AFP