メキシコ議会、軍の警察活動合法化を審議 虐待の正当化懸念広がる
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■「迷惑料」
クラウディア・メディナ(Claudia Medina)さん(36)も2012年、麻薬密売の嫌疑をかけられて東部ベラクルス(Veracruz)州の自宅から連行された。この時一緒だった夫は、今も身柄を拘束されている。
メディナさんは「私たちは目隠しされ、約39時間監禁されました。その間、身体的、精神的、性的な拷問を受けました…電気ショックを与えられ、殴る蹴るの暴行を受けました」と語った。「拷問から解放されたい一心で、どんな自白書でも署名すると言いました」
さらに検察当局による尋問に向かう際、逆らえばメディナさんの3人の子どもたちを拷問するという脅迫も受けたと明かした。
メディナさんはふらつく足元で、他の容疑者らや大量の武器、違法薬物の山に交じって報道陣の前に突き出されたが、後にすべての罪状で無罪となった。
エクトルさんは、背が高く、たくましかった息子が何時間にもわたる拷問を受けたのではないかとと無念でならない。
エクトルさんによると、司法解剖の結果、ヘトロさんが「塩酸を浴びせられた上、体内から土が見つかった──つまり生き埋めにされた」ことが判明したという。
ヘトロさんの遺体が発見されてから1年後、遺族はヘトロさんの名を冠した機械工学の教育施設を設立した。
施設の開所日、来賓でもない軍大将が姿を見せ、エクトルさんに130万ペソ(約760万円)を手渡した。「迷惑料」として受け取ってほしいと言われたという。(c)AFP/Jennifer GONZALEZ COVARRUBIAS