【4月16日 AFP】(更新)シリア北部のアレッポ(Aleppo)近郊で15日、反体制派に包囲された政府軍支配下の2つの町を逃れてきた人たちが乗ったバスの車列を狙った自爆攻撃が発生し、少なくとも112人が死亡した。在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が16日、明らかにした。

 シリア人権監視団によると、アレッポ西郊ラシディン(Rashidin)の乗り継ぎ所で、政府軍と反体制派の間で交わされた合意に基づいて同国北部の町フア(Fuaa)とケフラヤ(Kafraya)から退避した住民が乗っていた数台のバスに爆発物を積んだ車両が突っ込んで爆発した。死者にはバスに乗っていた98人のほか、救済活動の関係者やバスの警備を担っていた反体制派の戦闘員が含まれているという。

 シリア人権監視団は爆発で他にも「数百人」が負傷しているとしており、死者の数はさらに増える恐れがあるとしている。

 フアとケフラヤからは過去2年以上にわたって反体制派の包囲下で暮らしていた5000人以上が退避。14日にも、反体制派が掌握するマダヤ(Madaya)とザバダニ(Zabadani)から約2200人が退避している。

 政府側と反体制派は、複数の自治体から住民を退避させることで合意しているが、このうち2つの町から退避する反体制派側の人数をめぐり双方の意見が一致しなかったことから、数台のバスが道中で足止めされていた。しかし同監視団によると、自爆攻撃後に退避は再開された。(c)AFP