【4月15日 AFP】スペイン1部リーグ、セビージャFC(Sevilla FC)のホルヘ・サンパオリ(Jorge Sampaoli)監督は14日、2018年サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)の南米予選で苦しむアルゼンチン代表チームを救うため、同指揮官に触手を伸ばしている同国サッカー協会(AFA)に対し、法的手段も辞さない構えを見せているクラブに腹立たしげな様子をあわらにした。

 セビージャ側は12日、AFAのクラウディオ・タピア(Claudio Tapia)新会長が、空位となった代表指揮官の座に関連してサンパオリ監督と面会する意図を示したことについて、「受け入れがたく」、「敬意を欠く行為」だと声明を発表していた。

 タピア会長は後に前言を撤回し、同リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)に所属する代表キャプテンのリオネル・メッシ(Lionel Messi)と面会するためにスペインに向かうとコメントしている。

 サンパオリ監督は「声明は事実に対してよりも臆測への関係が深い。私から言わせてみれば、私が(AFAに)イエスと言ったとか、私がアルゼンチン代表監督だということは真実ではない」と語った。

 セビージャと2018年までの契約を残しているサンパオリ監督だが、スポーツディレクターを務めるモンチ(Monchi)ことラモン・ロドリゲス・ベルデホ(Ramon Rodriguez Verdejo)氏が退任したことで、その今後はあやふやなものになっている

 セビージャは現在リーグ4位につけており、欧州で初めて指揮を執っている57歳のサンパオリ監督は上々の一年目を過ごしている。

 しかしながら、候補の一人と目されていながらも、サンパオリ監督は今季終了後に退任するルイス・エンリケ(Luis Enrique)監督の後任としてバルセロナでの仕事は逃すことになるとみられる。

 サンパオリ監督は「私はバルセロナ、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)、アーセナル(Arsenal)、オランダ代表で指導をしているよ」と皮肉たっぷりにコメントした。

「私の名前はうわさの中に多く出てきているから私も困っている。私にとある仕事のうわさが出るたびにクラブが声明を発表しなければならないとすれば、週に一度は声明を出すことになるだろう」

 アルゼンチンは、残り4試合となったW杯南米予選で5位に沈んでいる。上位4チームには本大会の出場権が確約されるが、5位チームはオセアニア予選優勝チームとのプレーオフに回らなければならない。(c)AFP