【4月15日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)、ニューヨーク・ニックス(New York Knicks)のフィル・ジャクソン(Phil Jackson)球団社長が14日、チームのスター選手であるカーメロ・アンソニー(Carmelo Anthony)に関して「どこかほかへ移籍した方が良い」とコメントし、チームと同選手との間に高まっていた緊張関係が決着に近づく見通しとなった。

 ニックスが4季連続でプレーオフ出場を逃したシーズン終了後の記者会見で、ジャクソン球団社長はオールスター通算10回選出を誇るアンソニーについて、チームの再建計画にそぐわなかったとの見解を示し、「チームの方針としては、彼はどこかほかへ移籍したほうが良いだろう」と述べた。

 今年1月に出たジャクソン氏と懇意にしていることで知られる記者の記事で、ニックスでのアンソニーの賞味期限は過ぎたと伝えられると、両者の関係は緊張感が高まっていた。2人が徹底的に話し合った面会では、アンソニーが何度もジャクソン球団社長に残留を希望したと伝えられている。

 契約にトレード拒否条項が含まれており、どんな契約にも署名が必要となるアンソニーは今週、行ったり来たりの消耗したシーズンだったと認めたうえで、「もし誰かが間接的に自分の仕事について悪く話していたら、どうする?」とすると、「ある方向に動きたくなる。その人物に直接会って話してもらいたいはずだ」と語った。

 ジャクソン球団社長は前日、ニックスが同氏との契約オプションを行使したことを受けて、残り2年もチーム代表としての役職をまっとうすることになった。現在71歳のジャクソン球団社長とニックスは、5年契約の最中でありながらも、今オフシーズンには別々の道を歩む可能性があった。

 ジャクソン氏はNBA史上最も成功を収めたヘッドコーチ(HC)として知られ、1989年から1998年の間にマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏を擁したシカゴ・ブルズ(Chicago Bulls)で6度のファイナル制覇を成し遂げると、2000年から2010年の間にはロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)で5度の優勝を果たした。

 2011年5月にコーチ職を引退したジャクソン氏は、2014年からニックスのフロント陣に加わり、年俸は1200万ドル(約13億円)とされている。ニックスはジャクソン球団社長の下で通算80勝166敗となっている。(c)AFP